□固定化した過酸化水素を応用した新しいホワイトニング法
*詳しい内容は歯界展望2007年7月号145ページに掲載されています
4 新しいホワイトニングシステムによる治療例
症例集1[case1~case7] 症例集2[case1~case6]
新しいホワイトニング治療の大きな特徴は大部分の操作を診療室で行い患者の手を煩わすことがほとんどない点にある。
症例1
患者は20歳代の女性で前歯のホワイトニングを希望して来院した。過酸化水素の交換を4回行った時点で患者は白さを実感していたがさらに白くすることを 希望したのでさらに4回過酸化水素の交換を行い上顎の治療を終了した。なおホルダーを装着した最初の日に軽い痛みを覚えたが気になるほどでもなく、 以後は全く痛みを感じなかったとの報告を受けた。治療後の写真は上顎のホワイトニングが終了した時点の状況である(図6)。
図6:新ホワイトニングシステムで漂白を行った症例1

処置前

処置後
症例2
患者は30歳代の女性で前歯のホワイトニングを希望して来院した。
初診時診査で歯本来の色が濃い可能性が示唆されたので、患者にはホワイトニング治療では効果がみられない可能性があることを説明した後治療を開始した。
通法に従い新しい過酸化水素に5回交換したが明らかな効果は認められなかった。
しかし患者から「白くなってきたような気がするので、もっと続けたい」との希望があり、さらに5回新しい過酸化水素と交換しジェルを併用した。
治療後の写真はジェルを併用し5回漂白剤を交換した時点のものである(図7)。
治療前より上顎前歯は白さを増しているが症例1ほどの白さにはいたらなかった。しかし患者自身は白くなることを期待していなかったせいか満足して治療を終了している。なお治療期間中に痛みなどの不快症状を訴えることはなかった。
図7:新ホワイトニングシステムで漂白を行った症例2

処置前

処置後
症例3
患者は30歳代の女性。上顎左中切歯の失活による変色を主訴として来院した。まず患歯を新しいホワイトニングシステムにより漂白を行った。 来院時の新しい過酸化水素への交換を4回行った。治療後の写真はその時点での状況を示している(図8)。 その後ウォーキングブリーチを行い治療を終了した。新ホワイトニングシステムでは本症例のように特定の歯の漂白が可能である。なお治療中に不快症状は見られなかった。
図8:新ホワイトニングシステムで漂白を行った症例3

処置前

処置後